琺瑯看板 « 前のページ次のページ » レトロな町には琺瑯看板がよく似合う その2【愛知県瀬戸市】 February 28, 2011 Tweet 陶土を積んだトラックが往き来する埃っぽい国道の急坂を、自転車を押して汗だくになりながら登っている。意気込んで10キロ離れた自宅から自転車で出てきたことはいいが、県境を越える登り坂になった途端にこんな体たらくである。どんなに元気だと威張っていても、寄る年波には勝てない。 ようやく下り坂になり、瀬戸の町並みが眼下に広がった。 愛知県瀬戸市は焼き物で栄えた町だ。いたるところに製陶所の看板を掲げた建物が見える。 お年寄りから聞く昔話には「瀬戸へいかんでどこへいくと虫が鳴く」とか「宵越しの金は持たない」といったものがあり、活気があった町の様子が伝わってくる。焼き物をめぐる仕事はいくらでもあり、瀬戸に住んでいれば、“食いっぱぐれる”ことはなかったともいわれ