睡眠の最中、無意識に歯をこすり合わせて「ガリガリ」「ボリボリ」と耳障りな音を発する「歯ぎしり」。音は立てないものの、強い力で歯をかみしめてしまう「食いしばり」と合わせ、「睡眠時ブラキシズム」と呼ばれる。一緒に寝ている人の安眠を妨げるだけでなく、歯の摩耗や折損、顎の関節の障害など重大なトラブルを引き起こす。 なぜブラキシズムが起きるのか詳しい原因は分かっておらず、それ自体を止めることはできないが、悪影響を最小限にとどめる方法はある。人から歯ぎしりを指摘されたり、歯や顎に異変を感じたりしたら、早めに歯科医に相談したい。 ▽妻の指摘 「歯が欠けて食事がしづらい」。昭和大歯科病院 (東京都大田区)を訪れた男性(68)はこう訴えた。馬場一美教授(歯科補綴学)の問診に、男性は「朝起きた時、顎に疲労感がある。 妻に歯ぎしりを指摘されている」と告げた。口の中を調べると、奥歯が2本欠けており、残った奥