ネットで事例集め 発達障害の子どもが使う特有の言語表現への理解を深め、コミュニケーションの壁を取り払おうと、親たちがインターネット上で言葉遣いの事例を集めた〈辞典〉づくりを進めている。専門家によると、子どもにとって言葉の誤解がストレスにつながることも多いといい、親たちは「家庭や学校で、本人も周囲も戸惑うことなく過ごしていくための手助けになれば」との願いを込めている。 「帰る」。そう言って泣き出した自閉症の娘(7)を前に、東京都の女性(43)は困惑した。自宅で片付けをしないため、しかりつけたときのこと。「どこへ帰るの」と思ったという。だが「帰ってもいいよ」と声をかけても、娘がその場を動かないのを見て考えた。「しかられる前の自分に戻りたいという意味ではないか」 〈辞典〉づくりは、この女性が、サイト「子育てリンクス」にそんな体験を書き込んだのがきっかけ。同サイトの主宰者、川原隆志さん(50)(兵