どういう理屈でそうなっているのかはわからんが、飲食店の中でラーメン屋にだけは手厳しくしても構わないと考えるタイプの人間がいる。店員にタメ口を利くとかそういう話ではなく、評価基準も評価に応じた印象の持ち方も、なぜか一段厳しいのだ。かく言う私もその一人である。不味い定食屋に入ってしまったら「もう二度と行かねえ」と思って終わりだが、不味いラーメン屋に出くわすとそれを喧伝せずにはいられない。あんな不味いラーメン屋で気分を害する人がこれ以上あってはいけないという使命感すら覚える。たぶんテレビや漫画で知るラーメン屋のイメージが客にも手厳しいからなのではないか、おあいこなのではないか。そういうわけで俺自身ラーメン屋にそんなこっぴどくやられたことはないにも関わらず今日も俺は佃製作所を訪れる帝国重工社員の顔でラーメン屋の暖簾をくぐる。今のは『下町ロケット』を観ていないとビタイチ笑えない奴なので、『下町ロケッ