前回<第10話「天秤に掛ける」の巻>へのリンクは、こちらです。 stand16.hatenablog.com 第11話「キャプテン谷口の決意」の巻 金曜日。全体練習が終わると、キャプテン谷口は、部員達をグラウンドのバックネット近くに集合させた。 「みんなその場に座ってくれ。すまないが、少し長くなる。」 少し掠れた声で、そう告げる。 イガラシが腰を下ろすと、斜め手前に座っていた井口源次が顔を向ける。 「ミーティングって久しぶりだなぁ」 妙に間の抜けた口調に、ずっこけそうになった。 「最近はずっと、個人練習をやって解散、という流れだったのに」 「ばぁか。何の話か、おおよそ見当は付くだろ」 「うむ……で、何よ」 「……オイ。おまえ本気か」 翌日から大型連休に入る。この期間、野球部は講堂を借りて強化合宿を行う予定だが、それだけではない。 連休中日となる三日後、招待野球にて大阪の西将学園との対戦が組