冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF) 作者:管賀 江留郎発売日: 2021/04/28メディア: Kindle版この『冤罪と人類』は日本で起こった大規模冤罪事件を取り上げながら、最後にそうした冤罪事件が起こる理由を人間の〈道徳感情〉に求め、人類社会はどのようにすればこうした冤罪が起こるような状況、認知バイアスなど様々な「人間の弱点」を乗り越えることができるのかという壮大な話に発展していくノンフィクションである。 2016年に刊行され話題となっていた本だが僕は今回の文庫化で初読。書名からして冤罪の仕組みについて進化心理学的な観点から解き明かしていく本だと思い込んでいたので、いきなり1941〜2年に起こった浜松連続殺人事件、1950年の二俣事件など殺人・冤罪事件の詳しい話から始まり面食らったが、この記述がとにかくおもしろい。 取り上げられていく事件自体がセンセーショ
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