著者はインターネットカルチャー誌『Wired』の編集長。前著『ロングテール――「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』は米国でベストセラーとなり、「ロングテール」という言葉を一躍有名にした。本書はいわば続編で、ネット経済をトータルに考察している。 著者はまず「フリーサービス」を次の四つに分類した。(1)内部相互補助(ある部門の利益で別の部門の費用をまかなう)、(2)三者間市場(受益者と費用負担者が異なる=広告モデル)」、(3)フリーミアム(原則無料だが高機能の有料版を設ける)、(4)貨幣市場(金銭的動機に基づかないボランティア活動=オープンソースソフトウエアなど)である。各々について、誰がどのように費用を負担しているかを詳しく明らかにしている。 では「フリー経済」などバズワードに過ぎないのかといえば、そうではない。フリー経済は実はデジタル経済といってもよい。デジタル情報を処理したり送受信し
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