東京地裁に入る元毎日新聞記者の西山太吉さん(右)と作家の澤地久枝さん=東京・霞が関で2010年4月9日午後1時39分、尾籠章裕撮影 沖縄返還(72年)を巡る日米間の密約文書を開示しなかったのは不当として、西山太吉・元毎日新聞記者(78)や学者、作家ら25人が国に不開示決定の取り消しなどを求めた訴訟で、東京地裁は9日、密約の存在を認めたうえで、文書の開示を命じる判決を言い渡した。「国民の知る権利をないがしろにする国の対応は不誠実」として原告1人につき10万円の慰謝料支払いも命じ、原告側の請求を全面的に認めた。 裁判所が密約の存在を明確に認めたのは初めて。 国側は昨年3月の提訴を受け、密約の存在を否定したが、9月の政権交代後に認否を留保し、文書は「探したが見つからなかった」と主張。判決は、返還交渉を担当した吉野文六・元外務省アメリカ局長の法廷証言や米国立公文書館で発見された資料の存在などを基に