文学に関するyukilingoのブックマーク (2)

  • 何がしたいのか分からないまま人生が終わった

    小さい頃から逃げてばかりいた。 近所の子供たちが遊んでいるのを離れたところから見ているだけの自分に、親は「よして」と言うように教えてくれた。漢字で書くと「寄せて」になるのだろうか、仲間に入れてほしいというような意味だ。ついに一度も言わなかった。 家の中でばかり遊んでいた。ゲームもそれなりに与えられてたので退屈はしなかった。テレビはアニメか特撮をやってるときだけ見ていたが、ドラマや歌番組には興味がわかなかった。 幼稚園と小学校は真っ暗なジャングルだった。そこら中に猛獣が潜んでいて、油断すると噛みつかれる。顔も名前もわからない「ともだち」たちから笑われ、小突かれ、追い回された記憶ばかり残っている。 教室にいると何が飛んでくるかわからないから、隠れ場所を探して校内をさまよった。目を閉じたら何をされるかわからないから、まばたきするのも怖かった。 このまま公立中学に行ったら殺されるに違いないとい

    何がしたいのか分からないまま人生が終わった
  • ストロングゼロを飲んだ

    昨年の冬、十年勤めた会社を辞めた。上司と揉めて、にっちもさっちも行かなくなり、最後はヤケクソで辞表を叩きつけた。 しばらく保険でいつないだあと、近所の倉庫でバイトを始めた。すでに33才。未来には何の展望もないが、特に悲しいわけでもない。そんな段階はとっくに越えてしまった。学歴もコネも才能もない俺みたいな人間は、石の裏に棲息する虫みたいにひっそり生きて、死ねばいい。たまに小さな幸福を拾えたら御の字だし、拾えなくても別にどうってことはない。 夏にSさんという男が入社してきた。俺よりひとまわり上の45才で、とにかく無口なおっさんだった。俺たちは同じ班で働くことになり、気づけば仕事帰りに飲む仲になっていた。 先週、終電を逃してSさんのアパートに泊めてもらった。 その夜の彼は別人のように饒舌だった。 「そういえば、あるよ」Sさんが冷蔵庫からおもむろにストロングゼロを出した。 「飲んだことない?」

    ストロングゼロを飲んだ
    yukilingo
    yukilingo 2018/01/16
    気づいたとき思わず声が出た
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