『恋空』ケータイ小説と呼ばれるそれはとてつもなく難解な作品となっている。これが発表された当時(2005年頃)はその稚拙な文体、不安定な背景設定、妙に空いた行間などあらゆる角度から「読書趣味」の人たちによって猛烈なバッシングを受けていた。しかし、改めて、しかも最後まで読んでみると意外に、というか驚くほど面白いのである。中盤から終盤にかけて文体も上達していき、一気に読みやすくなる。そして内容も普遍的なすれ違い物語であり、少女漫画に一度でも没頭したことのある人間なら納得のものになっている。なぜ、本作がここまでバッシングを受けてしまったのか?その答えは簡単で、読者の大半が序盤で挫折したからに他ならない。 立ちはだかる巨大なウォール 恋空の序盤は主人公の美嘉とヒロの出会いから別れが描かれている。・・・のであるが、ここが読みにくい。 「あ~!!超お腹減ったしっ♪♪」 →伝説の書き出し 「こんちわ~!俺