写真のデジタル化による専用フィルムの生産中止で、兵庫県内の高速道路などで速度違反の車を撮影するフィルム式速度違反取り締まり装置が、近い将来、運用できなくなるおそれが出ている。専用の銀塩フィルムが2007年に製造中止となり、県警は在庫で県内に約4割あるフィルム式装置を運用。だが、県の財政難もあり、高額なデジタル機へ更新するめどが立っていないためだ。県警は「老朽化もあり、いずれ動かせなくなるかもしれない」と危機感を募らせる。(小林伸哉) 県警は1976年以降、速度違反取り締まり装置を、高速道路など計42カ所に67基設置。フィルムとデジタルの2種類あり、現在は43%にあたる29基がフィルム式だ。 県内は、高速道路などの総延長が643キロと全国2位。県警は速度違反摘発に力を入れ、取り締まり装置による県内の06〜09年の年間摘発件数は、約1万1千〜1万4千件と全国1位だった。 夜間には、目に見えない