フィギュア男子SPを控え、公式練習で笑顔を見せる宇野昌磨選手。後方は樋口美穂子コーチ=16日、江陵で(田中久雄撮影) 【江陵(カンヌン)=原田遼】誰よりもリンクで転んできた。初めてスケート靴を履いた日は転んで顔を氷に強打し、十分で帰宅した。平昌(ピョンチャン)冬季五輪で十六日、ショートプログラム(SP)の競技に臨む宇野昌磨選手(20)。五輪の舞台にたどりつくまでに、大きな挫折があった。 生まれたときは父親の手のひらに体が収まる未熟児。掛け布団はハンカチだった。ぜんそくで、幼少期は入退院を繰り返した。体を強くしようと、両親はサッカーやテニス、バレエなどいろいろなスポーツをやらせてみた。サッカーでは競り合いが怖くて、ずっとゴールの裏に隠れていた。