STAP細胞論文捏造騒動で渦中の人物であった元理研研究員・小保方晴子氏。彼女がこのたび手記『あの日』(講談社)を出版し、ベストセラーになっている。博士号を取り消され、研究者としては道を閉ざされた彼女だが、この手記によってまた注目されている。そこで、今回は、この一連の”小保方晴子”騒動をジェンダーの専門家はどう見るのか。千田有紀・武蔵大学教授に話を聞いた。千田氏は上野千鶴子氏の一番弟子で、理論派の社会学者として知られる。 苦労話は「若山先生にケーキを作ったこと」だけ (杉浦)今回の小保方さんの手記は読まれていかがでしたか? (千田)面白く読みました。研究を分かっていない人の視点からみた「研究者像」ってこうなんだろうなあと。テレビドラマに出てくるお医者さん像と、実際の医師は違いますよね。それと同じように研究者も、世間一般のイメージと現実のそれは違ってきます。理系であろうと文系であろうと、研究と