ドイツから帰ってきたら、日本語で書かれた小説が読みたくて読みたくて。ドイツ語漬けだった反動かしら? 『Die Vermessung der Welt』はドイツの書店で見かけ、あー、面白そうだなあと思ったのですが、とても原文には歯が立たず(しかも会話部分がすべて接続法って・・・。ひー)、帰ったら日本語で読もうと思っていました。 日本語のタイトルは『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』(三修社) 数学の世界に多大な影響をおよぼしたカール・フリードリヒ・ガウスと、地理学者であり世界を測量して回ったアレキサンダー・フンボルトのふたりの半生を描いた物語です。 もっと難解かと思っていたら、あまりの面白さに本が手放せず、電車や地下鉄で移動する時間に一気に読みきってしまいました。 物語は最初にふたりが出会う歴史的場面があり、その時間に向かって収束されるように、一章ずつ、交互に、若いふたりを主人公にして話