Q 「前倒し」はよく耳にする表現だが、「後ろ倒し」は、放送のことばとしては、適切だろうか。 A どちらも放送で使うことがありますが、いずれも、もともとは、政治家や官僚の業界用語として使われ始めたものです。放送では、安易に使わず、ほかの表現も探る努力も必要でしょう。 <解説> 「後ろ倒し」は、まだ一部の国語辞典にしか載っていませんが、新しい言葉も掲載するデジタル辞書の『スーパー大辞林』には「俗に先送りのこと。予定を遅らせて、計画を実施すること。・・・[一部で、前倒しの反対語としていわれるようになった]」とあります。アーカイブスで過去のNHKのニュースを見てみると、以下のような使用例がありました。 「東京都の人口は、これまでの予測では4年後の2020年に減少に転じるとされていましたが、その後も人口の流入などが続くとみられることから、さらに5年、後ろ倒しとなり、2025年をピークに減少に転じるこ