映画にもなった「魔法少女まどか☆マギカ」や、幾原邦彦監督の12年ぶりの新作「輪るピングドラム」など、大作ぞろいだった昨年と比べると、今年テレビ放送されたアニメには、際立って目立つ作品が少なかったかもしれません。ただ、オリジナル作品をはじめ、毎回じっくり見続けられる佳作が多かったように思います。本稿では、そんな中から、個人的な主観にもとづいて3作を選ばせていただきました。第1位 「坂道のアポロン」 原作は漫画家、小玉ユキさんの同名漫画。1960年代の長崎を舞台に、ジャズを通じた高校生たちの友情や恋をみずみずしく描いています。体の線が細く、ジャズピアニストのビル・エヴァンスに似た(?)黒縁眼鏡の薫(ピアノ)と、大柄で粗雑な千太郎(ドラムス)という凸凹な少年2人が、ときに衝突しながらも、音楽を通じて互いを認め合っていく。 王道といえば王道の展開ですが、「モーニン」「バット・ノット・フォー・ミー」