昨年9月、京都の街が"宝探しゲーム"の舞台となった。「くるり×SCRAP 京都1000人の宝探し大会」と題されたその宝探し当日には、全国から集まった"トレジャーハンター"たちがヒントカードに頭をひねり、地図を天空に掲げながら、京都という碁板の空間に隠された宝をそれぞれのやり方で見つけ出していた。1000人が1000通りの方法とストーリーを携えて。 発案したのは京都のフリーペーパー「SCRAP」の編集長・加藤隆生さん。「SCRAP」の代表でありながら、リアルの空間や複数の媒介を使った謎解きイベントを次々に企画、ロボピッチャーというバンドで自ら音楽活動をしながらメジャーシーンをも巻き込んだ音楽イベントを毎年京都で開催したりするなど、これほどアウトプットの濃い人はそういない。しかも加藤さんが誌面などで発信するメッセージから感じるのは、堅苦しいところが微塵もなく、いつだって軽やかでユニークで自由な