「葉隠」 山本常朝 (岩波文庫 上中下) ★原文に校註つき 「葉隠」 山本常朝 (中公クラシックス) ★現代語訳 「葉隠」は、江戸時代中期の九州鍋島藩にいた山本常朝という侍が、田代陣基という人物にに口述筆記させた書物である。 江戸幕府の形骸化した骨抜きの武士道に対して、本当の武士道を伝えようとあらわされた本なのだが、その極端な内容から当時は禁書となっていたらしい。本来は口伝するものであり、「葉隠」自身にも読んだあとは焼いてほしいとの覚書が付されている。ちょっと危険な香りがする本なのだ。 想像以上に読みにくい本であるが、想像以上に面白い。 読みにくい原因はおそらく本の成り立ちにある。 この本は、数年間にわたる口述をまとめたもので、その内容は山本常朝のまさしく覚書なので、まとまりにかけるのだ。 武士の心得に始まって、侍としての生活上の秘訣、周囲の者とうまくやっていくための処世術、武士道とたい