写真家の植本一子さんは、文筆家としても活躍。自身に起きたことを率直に綴るエッセイが注目を集めている。そのなかでたびたび書かれるのが、一時は絶縁状態になったという広島に住む実母との葛藤だ。母と娘が抱えがちな問題に長年取り組むカウンセラーの信田さよ子さんに、大人になってもなお、重たく感じる親との距離の取り方を聞いた(構成=篠藤ゆり 撮影=本社写真部) 【写真】「お願いだから帰ってください」と母に土下座して… * * * * * * * ◆母の機嫌がよめず、常にビクビクしていた 信田 植本さんは2019年、私が登壇した依存症関連のイベントに来てくださいましたよね。 植本 はい、そのときにご挨拶をさせていただいて。信田さんの『母が重くてたまらない』も愛読しており、ずっと前からお会いしていたような気がします。 信田 私も、植本さんが綴られた日記を読ませていただきました。幼少期からお母さまとの関係に苦