線虫の運動量の測定 線虫の這った跡をトレースしたもの。雌雄同体よりオスの方がよく動き回っている。ドーパミンが作れない変異体では、オスと雌雄同体の違いが小さくなっている。 © 2019 周防諭 東京大学大学院総合文化研究科の原田一貴助教と坪井貴司教授は、埼玉医科大学の周防諭講師らの研究グループと帯広畜産大学の姜興起教授と共同でドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が性別による行動の違いを生み出すことを線虫の解析から明らかにしました。オスとメスで脳内物質のはたらきが、どのように異なっているのかは不明な点が多く、本研究は脳機能の性差の解明に寄与することが期待されます。 動物のオスとメスでは、行動の違いが見られます。行動の性差は子孫を残すために重要ですが、その違いを生み出す脳機能の違いはまだ不明な点が多いのが現状です。土壌に生息する体長1mm程度の生物である線虫は、脳内の神経細胞が非常に少なくて解析しや