ポイント 電子とミュー粒子の磁気能率を量子電気力学(QED)により理論的に計算 基礎物理定数の1つ微細構造定数αを40億分の1の最高精度で決定 素粒子の標準理論に対して最も厳密な検証を可能に 要旨 理化学研究所(野依良治理事長)とコーネル大学(Cornell University、D. J. スコルトン学長)、名古屋大学(濵口道成総長)は、電子およびミュー粒子※1の持つ磁気能率※2の大きさ(g因子※2)を量子電気力学(QED)※3に基づき理論的に計算し、微細構造定数α※4の5乗までの全寄与をスーパーコンピュータを用いて求めることに成功しました。これにより、電子の磁気能率の大きさを1.3兆分の1の精度で理論的に決定し、3.6兆分の1の精度で求められている実験値と不確かさ※5の範囲内で一致することを確認、この精度までQEDが正しいことを検証しました。同時に、この計算によって、基礎物理定数の1つ