年金問題に関する報道が連日繰り広げられている。昨日の日経朝刊1面には「年金番号 重複なお2万件」という見出しが躍った。本来,公的年金の加入者1人ひとりに割り振られるはずの「基礎年金番号」が同一人物に重複して付けられているケースが,昨年10月時点で2万件も残っていることが明らかになった,というのだ。 ここで,年金問題の解決に向けた今後のシステム化の行方について議論することは,先日の記者のつぶやき『謎が謎を呼ぶ「IT年金問題」』と重複するので控えたい。ただ,この問題で露呈した数々の事実は,企業情報システムの構築・運用や,そのマネジメントにかかわる人々にとって大きな示唆と問題を投げかけていると思うので,この観点から改めて考えてみたいと思う(6月10日に起きた年金システムの障害については関連ニュースを参照)。 「元々が紙データ(非電子データ)であった名前を電子化するということは,とても大変な作業な
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