120年の歴史を持つ「名門」は、 斜陽の業界で下請けに甘んじていた。 赤字体質の会社を変えたのは、 「異端児」「窓際族」と呼ばれ続けた男だった。 現場を歩き続けて知った「社員のやる気」で 会社を大躍進に導いた。その勢いで、 赤字の元請けを買収し、再生した。 川田達男 TATSUO KAWADA 1940年、福井県生まれ。明治大学経営学部卒業後、福井精練加工(現セーレン)入社。営業開発時代に自動車用シートカバーを成功させる。同社営業部長、取締役を経て、85年、常務。創業者一族の社長から、経営不振のセーレンを任され、87年、社長に就任。2003年から最高執行責任者兼務。05年に経営破綻したカネボウの繊維事業を買い取り、立て直した 「社員がやる気を出せば、会社は変わる。だから、社長の最大の仕事は、社員のやる気を引き出すことです」 セーレン社長の川田達男(68歳)は穏やかな口調で語り始めた。 セー
