2007年7月1日のブックマーク (2件)

  • BG、あるいは死せるカイニス/石持浅海 - 猫は勘定にいれません

    ミステリの世界には、現実世界に一つだけ非現実のルールを付け加えたら、どんな謎が生まれるか、という観点から描かれた一連の作品群が存在します。代表的なところでは、超能力者の存在を前提にした西澤保彦さんのチョーモンインシリーズ、死者が生き返る世界での殺人を扱った山口雅也さんの「生ける屍の死」など。このジャンルの作品は、普通の観点では想像もつかないような展開をする傑作が多いのですが、この「BG、あるいは死せるカイニス」もまた、同ジャンルの傑作のひとつに数えるにたる作品です。 もしも、人類が性転換をする生物だったら?人間は、誰もが初めは女性として生まれ、その中の一部の人間だけが男性に変わる…そんな世界で、将来の男性化を有望視されていた少女が、無残な絞殺死体で発見されます。しかも、衣服が乱された状態で…。この状況を見た捜査陣は、首をひねります。つまり、この世界では、男性はそれだけで既に選ばれた存在であ

  • 「ゼロ年代の想像力」にかこつけて今更劇エヴァを語ってみる - ピアノ・ファイア

    mixi日記からの転載です。 宇野常寛の批評は、漫研のGiGiさんの勧めで追っかけ始めただけで、宇野氏の前歴もぼくは殆ど知らないのですが、『SFマガジン』だけは定点観測の対象にしています。 以下はその定点観測のメモですが、たまたま気が向いて「今更劇場版エヴァンゲリオンのラストについて考えてみた」という雑文になっています。 第1回の感想についてはこちらをご参照下さい。 「ゼロ年代の想像力」第2回と劇エヴァのメモ 劇場版において、碇シンジは長い葛藤の末に、内面(自己愛)への引きこもりを捨て、互いに傷つけあうことを受け入れて他者と一緒に生きていくことを選択する。そして結末、碇シンジはヒロインのアスカとともに滅亡した世界にただふたり残される。だが、アスカはシンジを「キモチワルイ」と拒絶する。 うーん、やっぱりエヴァは「アスカに拒絶される話」として解釈されてるんだな。 でも同時に、「他者を受け入れる