2007年9月10日のブックマーク (1件)

  • 「Self-Reference ENGINE」円城塔 | 族長の初夏

    噂の黄色いあいつがやってきた。奇抜さにかけてはここ10年間でも類のない、バカすぎて魂が抜けるほどの奇想小説。芥川賞は逃がしたけれど、とりあえず2007年の日SF大賞はもう円城塔で決定なんじゃないでしょうか? たとえばエリック・ドルフィーが異星の音楽を地球の楽器で奏でるように、あるいはパブロ・ピカソが四次元の風景を二次元のカンバスに射影してみせるように。人類にはろくすっぽ考えの読めない高次元異種知性体たちがつぶやく寝言、愚痴、鼻歌、コント、時代劇、その他もろもろのことばの断片を、いくらかでも人間にわかるように、できるだけ平易な地球言語に翻訳してみせよう。強いて説明するならそんな感じの小説です。SF作品で言い替えを試みるとしたら、フレドリック・ブラウンの古典「発狂した宇宙」とスタニスワフ・レムの名著「ソラリスの陽のもとに」を激突させて、カート・ヴォネガット・スタイルのシニカルユーモアを込めつ