<国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった> ノーベル賞作家・川端康成も『雪国』で綴ったように、鉄道は、日本の四季折々を肌で感じられる乗り物だった。明治学院大学教授で、鉄道事業に詳しい原武史さんはいう。 「例えば、北海道で5月に函館 <国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった> ノーベル賞作家・川端康成も『雪国』で綴ったように、鉄道は、日本の四季折々を肌で感じられる乗り物だった。明治学院大学教授で、鉄道事業に詳しい原武史さんはいう。 「例えば、北海道で5月に函館本線に乗れば、桜が咲き、春紅葉も見られ、その向こうには、まだ雪の残る駒ケ岳や羊蹄山が眺められる。そんな四季折々の自然をダイレクトに味わえるのが鉄道の魅力なんです」(原さん・以下「」内同) だが、1964年に開通した東海道新幹線を皮切りに、山陽、東北と日本各地で新幹線が開通。現在、交通インフラは50年前と比べて、格段に便利