「ものを飾る」という点について、夫とセンスが合わない。 最初にそれに気づいたのは結婚する前、夫のAさんが大学のサークルの先輩だった頃だ。 ある時、サークルで七夕会をすることになり、手先の器用なAさんが七夕の飾りを担当することになった。 七夕会の前日、Aさんから突然電話があり、「飾りに使うから肌色の折り紙をたくさん買ってきて欲しい」と頼まれた。 何で肌色なのか、と思ったが、一応先輩の命令なので素直に買いに走り、Aさんのアパートに持って行ったところ、Aさんは肌色の折り紙で「やっこさん」を作り、それに色とりどりの折り紙で作った《まわし》を付けた「おすもうさん」を大量に笹にぶら下げていた。 そんなAさんと結婚したせいで、ひなまつりにはしばらくの間、こういう雛人形が飾られ続けた(娘達が生まれてからは、夫の母が木目込み人形の立派な雛人形を作ってくれたので、悲しい思いをすることはなくなった) 自分が何か