本日お届けするのは、ライター・編集者の中野慧さんによる連載『文化系のための野球入門』の第10回「戦後日本を代表する作詞家・阿久悠が描き出した”高校野球と日本人”の関係」です。 「若者の青春」の代名詞ともいえる高校野球ですが、日本人のそうした青春観が野球界の歪みを招き、社会の幸福度にも影響を与えているのではないか。阿久悠の掌編小説を引きながら、日本社会における高校野球の位置づけについて考察します。 中野慧 文化系のための野球入門 第10回 戦後日本を代表する作詞家・阿久悠が描き出した”高校野球と日本人”の関係 ユースが登場すれば特待生問題も自動的に解決される 本連載を通じて、すでに述べたように、これまでのプロ野球は高校生年代の育成においてアマチュア野球にフリーライドしてきたわけですが、ユース制度の導入はいわゆる「野球留学」「野球特待生」の問題の解決となる可能性もあります。 故・野村克