文章を書いていくにあたって、どこで何を書いていけばいいかちょっと迷っている。 こないだふと、雨宮まみさんが亡くなってまだ一年か(もっと長い気がした)(雨宮まみのいないインターネットをもう一年も生きてしまった)、と思って、ウェブ連載はときどき読んでいたけど単行本は買ったきり積んでいた『東京を生きる』を読んでいて思ったのが、これめちゃめちゃいい文章でいい本なんだけど、こういうのを作っても今はそんなに売れないのかもしれない……、ということだった。 東京という街と雨宮さん自身の生き方について綴られた本で、ひりひりと切実で、文章は研ぎ澄まされていて、美意識もスッと通っていて、綺麗に磨かれた宝石のような本だ。だけどそんな磨き抜かれた宝石のようなハードカバーの本を作っても、今はあまり買う人いないのかも、と思ってしまったのだ。 本を買うとき、何か実用性があるものにはみんなお金を出しやすいけど、コラムやエッ