猛暑の中、就職シーズンも熱くなってきた。内定を得る学生が必ず読んでいる本があるという。人材コンサルタントの常見陽平氏が語る。 * * * この間Fラン(偏差値が極端に低い大学)学生で一流企業の内定を取った学生に取材していたんですが、彼が内定した理由は、司馬遼太郎を読んでいたことでした。彼に限らず、就職戦線でキツそうな大学の子でも大企業に就職した子の鞄には必ず司馬遼太郎が入っています。 もともとこの法則は作家・編集者であり、日本語に関する本が多数ある川辺秀美さんの『22歳からの国語力』という本で唱えられたのが最初なのですが、私の取材でもそれが裏付けられました。 なぜ司馬遼太郎かというと、面接官のおじさんたちも好きだからです。就職試験で不安なのは学生だけではありません。面接する側も「この人はどういう人なんだろうか」という気持ちが底にある。 学生と自分の「接点」を見つけようとエントリーシートを