伊豆半島のほぼ中央、天城連山を望む天城湯ヶ島温泉(あまぎゆがしまおんせん)。川端康成の小説・伊豆の踊子の舞台にもなった情緒あふれる温泉地。天城三景から流れる清流・狩野川(かのがわ)沿いには、文豪たちが愛した旅館が軒を連ねています。 今回ご紹介するのは、天城湯ヶ島温泉にたたずむ 落合楼 村上(おちあいろう むらかみ)。創業明治七年。一泊二日の大人の一人旅におすすめしたい老舗旅館です。 途中、昭和八年に建て替えられ、建物の棟数・全部で七棟が国の登録有形文化財に登録されています。敷地の面積は三千坪。その敷地内の中にお部屋の数は15室しかありません。 狩野川の清流の脇に立っているので、川のせせらぎを聞きながら過ごしたり、敷地内を散策してゆっくりと過ごすことができます。 玄関に一歩入ると美しい欄間(らんま)が出迎えてくれます。その繊細さは当時の職人の息づかいを感じる見事な作品です。 さらに廊下のガラ