今年5月、中国のロケットの残骸が地上に落下する恐れがあるというニュースが流れ、騒然となったことは記憶に新しい。宇宙空間には過去の衛星やロケットの残骸(スペースデブリ)が無数に飛び回っており、今回の件は氷山の一角にすぎない。先月のG7サミット(先進7カ国首脳会議)でも持続可能な宇宙環境の構築が宣言に盛り込まれたように、宇宙ゴミは人類共通の課題だ。10年前まで誰も解決策を持たなかったスペースデブリ。この問題の解決に奮闘する日本人がいる。IT業界から宇宙産業に身を投じた男は、どうやって道を切り開いたのか。(取材・文:キンマサタカ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 今年3月22日。日本企業が開発した衛星を積んだロケットが宇宙空間へと飛び立った。積まれたのはアストロスケール社の「ELSA-d」。スペースデブリ除去の実証実験用衛星だ。 同社のCEOを務める岡田光信(48)は言う。 「打ち