【カイロ樋口直樹、ロンドン笠原敏彦】リビアの最高指導者カダフィ大佐率いる政府軍が、多国籍軍の空爆や反体制派の攻撃を避けるため、民間人を「人間の盾」にするなど巧妙な戦術をとり始めた模様だ。空爆のためリビア上空に向かった英機は20日、攻撃目標の周辺に市民を確認したため引き返しており、カダフィ政権のなりふり構わぬ生き残り作戦が多国籍軍の攻撃もかく乱しつつある。 「人間の盾」作戦が行われているとの見方は、ロイター通信が21日、北西部ミスラタの反体制派報道官や地元住民の話として伝えた。同日には市中心部で政府軍が非武装の住民を攻撃。少なくとも9人が死亡し、50人以上が負傷したという。 反体制派報道官が電話でロイターに伝えたところによると、政府軍は近隣の街の住民にカダフィ氏のポスターや国旗を持つよう強要し、ミスラタまで運んで反体制派の攻撃に対する「人間の盾」にしたという。報道官は「政府軍は我々が女性や子