俺には金持ち家庭で育ったお嬢様の友達がいる。どうしても牛丼屋に行ってみたいというので一緒に行くことになった。 もう着いた時点でカウンターテーブルの汚さや、みんなが触る紅生姜やらドレッシングやらが整理されてない時点で顔を顰めてたが、いざ牛丼を頼んで、一口食べると、「うん……」と言ったきり難しい顔になって喋らなくなってしまった。 結局、普段から洗練されたものしか口にしてない金持ち家庭にとっては、庶民の牛丼屋なんてとても臭くて食べられたもんじゃないってことだ。 小説とかアニメではお嬢様がそういうのを口にして大仰に喜んだりするシーンがあるが、所詮はオタクの幻想、都合のいい嘘なんだってことだな。 ついでに言うと、俺にお嬢様の友達がいるってのも嘘なんだな。 助けてくれ。