「頼む、死んでくれ」 何とも酷い言葉である。ところがこの言葉を口癖にしていた営業幹部がいた。 私は彼に騙され、地獄のような現場に放り込まれた。その現場の人間関係は最悪だったし、そもそも仕事が私のキャリア形成にほとんど役に立たないものだった。「何とかしてほしい」とこの幹部に訴えたが、彼の答えは「頼む、死んでくれ」の一点張りだった。 地獄の現場とは、本連載の第1回目『「動くまで出るな」、冷凍マシン室に入れられた話』の中に書いた、ある金融機関の本店であった。第1回目の末尾に書いたように「こんなことをしていたら死ぬかもしれない」「やっていられない」と思った私はソフトハウスのSE・プログラマーから足を洗うことを決めた。「死んでくれ」と言われたものの、最後は拒否したことになる。 その現場に送り込まれていた同僚が何人かいた。彼らも営業幹部に異動を頼み込んだものの、答えはやはり「死んでくれ」であった。何人