サマー・オブ・ラブは幻想が生み出した社会現象だった。愛に溢れた夏の次には、当然、フォール・オブ・ヘイトが訪れる。1969年8月に起きた「シャロン・テイト殺人事件」は、脳内フラワー・チルドレン、フリー・セックス・フリークスに秋の気配を伝え、同年12月の「オルタモントの悲劇」はヒッピーたちに夏の終わりを宣告した。夏の終わりとともに、『Fun House』(1970)のなかで日差しを避けていた犬たちは、憎悪に満ちた秋のストリートを徘徊し始める。 イギリスのケンブリッジから現れたUncle Acid & the Deadbeatsは、そんな時代のヴァイブスを選り好んで吸収して、ストーナー・サウンドを世界中に吐き散らしている。もちろん、彼らのなかでもフロントマンのアンクル・アシッドことケヴィン・スターズ(Kevin Starrs)は、フラワー時代に咲いた徒花、チャール・マンソンへのリスペクトも忘れて