中東のレバノンの首都ベイルートで起こった爆発の瞬間をとらえた数々の動画は瞬時に世界を駆け巡った。そして、爆発の現場の光景は戦場を思い起こさせるほど、町は破壊され尽くしていた。世界のメディアは発生と同時に被害状況を伝え、私たちNHKも現地の情報をもとにニュースを出し続けた。しかし、日本での報道のされ方をめぐって日本に住むレバノン人たちが異議を唱えた。彼らは今回の爆発をきっかけに日本の人たちにもっとレバノンを知ってほしいと願っている。 「本当に日本人が最低だ、むかつく。カルロスゴーンのことだけ考えている」(原文) SNSでこのメッセージを見たとき、ガツンと殴られたような衝撃を受けた。日本のメディアの報道姿勢について批判する内容だった。実際NHKでも爆発発生の翌日にはゴーン元会長の自宅の様子を取材して放送した。レバノンはゴーン元会長の逃亡先という印象が日本では強いことから、視聴者の関心もあるだろ