菅直人首相が退陣の条件の一つにした、再生可能エネルギー促進法案が国会で可決されそうである。これは、風力、太陽光発電などの再生可能エネルギーからの電力を固定価格で10年以上の期間にわたり購入するというものだが、現在の形ではかなり問題のある法案だ。私は、7月9日に放送されたNHKの「週刊ニュース深読み」で、賛成派の飯田哲也氏と法案を議論する機会があったが、時間切れになり、すべての論点について議論することができなかった。そこで、この場で二つの論点を示しておきたい。 【電力料金の値上がり額】 電力の固定価格買い取りに要する費用は、電力料金の形で電力の需要家が負担する。この結果、電気料金は値上がりする。値上がり幅は、買い取り価格と買い取り電力量により決まることになる。値上がり額によっては、国民生活と産業活動に大きな影響が生じる。では、値上がり額はいくらになるのだろうか。 再生可能エネルギーごとの買い