『仁義なき戦い』の脚本家、笠原和夫の……エッセイといっていいのか、なんといっていいのか、……本である。はっきり言って、おれよりもっと詳しいやつが半径2クリック以内にいるからその人に聞いてくれ、という気分だ。おれに語れることなんてなにもないだろう。 けれども、去年あたり『二百三高地』、『日本暗殺秘録』、『226』あたりから入って、ついに『仁義なき戦い』を観て、そうとうに気になる人物、いや、ファンといっていい、ファンになってしまったのだから仕方ない。そして、この本もめっぽう面白かった。映画の裏話から、実際の取材で得たヤクザの話、裏の世界のエピソード、本人の歴史……。 それでもって、べつに観りゃそう思うだろうという程度の話だろうけれども、この人の作品に流れるアナーキズムみたいなものに納得するところがあって、自分の観方はそれほど的を外してなかったなって思えて、まあその程度で了解できてよかったという