ビジネスのみならず、行政や政策に関してさえ「選択と集中」という言い回しに出会う機会が増えている。もとは経営戦略の一手法を指す用語であった「選択と集中」であるが、行政や政策のフィールドでこの語が言及されるとき、それは、「当たり馬券だけを選んで買えば、競馬で大儲けができる」という話のような非現実的な議論に陥りがちだ。 国立大学運営の基本予算である運営交付金は独立法人化直後の1兆2400億円から近年では1兆円程度まで減額され、加えて重点分野・大学への重点配分枠を増大させている。選択し、集中を進めたことで日本の大学の研究や教育の質は上昇しただろうか。 これからの日本のコンテンツビジネスを進行するとして鳴り物入りで登場したクールジャパン関連事業は毎年500億から600億円の予算措置を受けているが、明確な成果を得られていない。 個別の企業の経営戦略としての「選択と集中」、政策として実施される「選択と集
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