午前二時、そっとベッドを抜け出す。眠ろうと努力して一時間あまり、長年の経験から「これはベッドにいても解決しないやつ」と判断してのことである。 ベッドの中でずっと覚醒しているときには、あれこれ工夫すれば存外眠れる。そういうときには頭の中に思考が滞留していて、それが入眠を邪魔している。たとえば仕事が忙しくて長時間グイングインに回した頭の中が止まってくれない、というような状態だ。それなら頭の中を止める工夫をすればよいのである。そのために有効ないくつかの方法を、わたしは持っている。 そうしたやり方が通用しないのが、一度は半ば眠りに入ったのに半端に目が覚めてしまうパターンだ。わたしはこれを「半再起動」と呼んでいる。この状態はうっすらと不快で、足首あたりにそこはかとない恐怖が溜まる感覚があり、複雑な思考はできず、しかし何も考えないこともできない。こうなるとたいてい夜明けまでだめである。 かくしてわたし