大飯原発の安全評価 こんな手続きで理解は得られぬ 定期点検で停止中の大飯原発3、4号機(福井県)再稼働の前提となるストレステスト(耐性評価)について、関西電力が提出した1次評価結果を、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした。 東京電力福島第1原発の事故以来、安全評価をめぐる保安院の判断は初めてであり、次に審査が控える伊方原発3号機など、他の原発の評価に波及するのは必至だ。事故の詳細な原因が未解明なままの拙速な判断であり、国民の理解は到底得られまい。 現在、国内の原発54基のうち稼働しているのは5基。4月末までには全基が停止する見込みだ。事故を受けた必然の結果であり脱原発、電源多様化に向けて取り組む環境が整いつつあるといえよう。 それだけに、規制側である保安院が、再稼働を急ぎたい電力会社の意向を受けたかのような判断を下すことには、強い違和感がある。「再稼働ありき」の批判も当然だ。