トーマス・ルフの日本での7年ぶりの個展。2つのテーマで。 Thomas Ruff「cassini + zycles」ギャラリー小柳。12月19日まで。 ↑「cassini」シリーズより 2つのテーマのうちひとつは、土星探査機〈cassini(カッシーニ)〉から 送られてきた土星とその衛星の観測写真を素材にし、それを加工、 幾何学模様とも、美しい抽象絵画ともとれる作品に昇華させている。 ルフといえば、星をモチーフにした作品でも有名だが、それはさらに 発展し続け、このような作品にまでたどりついている。 もうひとつのシリーズ「zycles」は19世紀の物理学書に掲載された 繊細なカーブを描く電磁場の銅版画をベースに作品化されている。 3次元の数理曲線をある角度から見た状態を2次元に置き換える (投影する)。その結果、生まれるのが以下のような抽象作品だ。 かつては数理模型でヴ