【東日本大震災】 氷のように冷たい水に何時間もつかりながら、津波に襲われた車からお年寄りを次々と救い出した少年がいる。東日本大震災で死者が2千人を超えた宮城県石巻市。助けを求める声を聞き、われを忘れて救助し続けた。少年は自宅を流され幼なじみも亡くし、温かい町が変わり果ててしまったことに落胆しながらも、阪神大震災のちょうど1年後の「1・17」に生まれたことに今、宿命を感じている。「若い僕たちが立ち上がらないと。町の復興も僕らがやります」。(藤原由梨、写真も)関連記事危険建物、阪神大震災超える 国交省【東日本大震災から2週間】歩み始めた…記事本文の続き 石巻市の中学を卒業し、地元の水産高校に進学する菊地透也君(15)。自宅近くで買い物を済ませ、母の由理さん(43)が運転する車中に居ながら、激しい揺れがすぐに分かった。気付けば津波はすでに間近まで来ており、あわてて2人でやや高台にあるJR渡波駅に