国内最大の指定暴力団山口組(神戸市)の6代目組長とナンバー2である若頭の出身母体「弘道会」が、同組内部の事実上の支配強化を進めている。警察庁が行った暴力団情勢の分析結果では、弘道会が非弘道会系幹部らを引退に追い込むなど勢力を拡大。警察への対決姿勢や巧妙な資金源獲得活動などから、警察庁では「重大な社会的驚異」と位置づけ、弘道会とその傘下組織の集中取り締まりを全国の警察に指示した。山口組組長は現在、銃刀法違反罪で服役中で出所まで残り1年弱。警察当局の警戒が強まる中、出所後に暴力団業界再編につながる大きな動きはあるのか−。 「6代目の出所までのあと、1年弱の間は大きな動きはないのではないか」 山口組に次ぐ勢力の指定暴力団住吉会(東京)の系列組織の幹部が、声を潜めて今後の暴力団情勢について語った。 住吉会系幹部が話す「6代目」とは、弘道会出身の山口組組長、司忍受刑者を指す。司受刑者は銃刀法違反罪で