今から50年も前、小学6年の頃、同級生から、「カネ、持って来い!」と命令された。 仕方なく、母親の財布から5円玉を3枚くすねて“要望”に応えたが、ある日、母親から「気がついていないとでも思っていたのかい? お前を泥棒にするつもりはないから出て行きな!」とこっぴどく叱られた。 「悪ガキに『持って来い!』といじめられているんだろう。その子の親に『お袋に5円玉を盗むのを見つかったので、これが最後です』と言って15円渡しておいで!」と言う。 どうしたら良いだろう。 結局「実はおふくろに……」と事情を話したら、悪ガキは驚いて「いじめ」は終わった。 「いじめ」は、いつの時代にもあった。 数十年ぶりに同窓会で再会した悪ガキは「俺にいじめられた? 覚えていない」と真面目に答えていたから、我々の時代の「いじめ」は“加害者”がすっかり忘れてしまうような「悪戯(いたずら)」だったかもしらない。 それに引き換え…