先日、弊社ショップ兼ショールームにご来店のお客様から「和紙の未来はどうなると思いますか?」という質問をいただきました。とてもストレートなご質問だったので、少しドキッとしたのを覚えています。 和紙産業の危機と希望 伝統工芸である和紙作りを取り巻く状況は、近年厳しさを増しています。原材料や光熱費の高騰に加え、和紙づくりの担い手である紙漉き職人だけでなく、紙漉き用の道具を作る職人、そして原料の世話をする人々までもが、高齢化という課題に直面しています。こうした状況は、和紙産地全体の存続を揺るがす深刻な問題であり、機械漉き和紙を漉いているところも例外ではありません。 日本で唯一、箔合紙(はくあいし)を漉く、横野和紙(岡山県津山市)上田手漉和紙工場の上田さん。 横野和紙は上田さん家族が営む1軒だけとなりました。 ご質問の「和紙の未来はどうなると思いますか?」という問いに率直に答えるとすれば「このままで