たまに昔の本を読む その中で、心に引っ掛かった文章だけを抜粋する ショーペンハウアーじいさん、ドイツの哲学者、仮定生存年齢236歳(1788年生) 「幸福について―人生論―」新潮文庫 ――― 非常な高齢に達することによってもたらされる最大の利得は、美しい死に方ということである。病気などによって起きたのでなく、痙攣も伴わず、何の感じもない、きわめて楽な死に方である。ヴェーダのウパニシャッドには【天寿は百歳だ】といっている。これはいわれのあることだと思う。なぜかと言えば、私は、九十歳を越えた人でなければ美しい死に方にあずかることができない、すなわち何の病気もなく、卒中もなく、痙攣もなく、喘鳴もなく、いや時としては顔面蒼白となることもなく、大抵はすわったまま、しかも食事のあとに死ぬ、いや決して死ぬのではなく、『ただ生きることを止めるというような死に方』はできないということを知ったからである。それ