1985年に記者の仕事に就いたとき、当時の上司から「疑問文の見出しを避けよ」と指導された。見出しとは記事の題名を指す。例えば「ITpro編集長はソフトウエアの本質を理解しているか」といった見出しはよろしくない。 疑問文の見出しは「結論から先に書く」という鉄則に反するからである。仮の話を続けると、取材をしてITpro編集長に難があると分かったら、「ITpro編集長はソフトウエアの本質を理解していない」という見出しを掲げて記事を書かなければならない。 教えに従わず本稿の題名を『ITpro編集者はソフトウエアの本質を理解していない?』としたのは、9月15日に公開した『日本のリーダーはソフトウエアの本質を理解していない』という寄稿に関わる内容だからである。当初、「ITpro編集者はソフトウエアの本質を理解していない」としてみたが編集長から掲載許可が下りないと考え直し、疑問符を付けた。 「ITpro