ネイチャー2008年9月4日号 「Big data: The harvard computers」より 写真機を天体望遠鏡に接続することで、何千もの星々の像を一枚の写真乾板に記録することができるようになった1880年代から1940年代にかけて、米国マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学天文台は、そうした星空の写真をおよそ50万枚も撮影しました。重さ300トンにも及ぶ写真乾板には、何千万という星々の像が記録されています。 ところで、まだコンピューターによる自動解析が使えない時代、写真乾板に記録された膨大なデータはどのように処理解析されていたのでしょうか? ハーバード天文台は、データ処理のために「コンピューター(計算者)」と呼ばれる女性たちを雇っていました。当時の写真の中で、ビクトリア朝風のスカートの長いドレスに身を包み髪を大きく結い上げた彼女たちは、花模様の壁紙にマホガニーの机が